作品名

黒衣の剣士　Black-clad Swordsman

作家名

天野喜孝
あまのよしたか
Yoshitaka Amano

漆黒の背景に浮かび上がる、見栄を切る歌舞伎役者のような凛とした立ち振る舞いの“D”。
その姿は、武者絵や役者絵の伝統を意識し、掛け軸を想起させる日本的・東洋的なアプローチで描かれています。
この全身像の肖像画は、天野喜孝氏が1992年に雑誌『獅子王』の付録ポスターとして発表した作品で、《黒衣の剣士》として知られています。
これまでの“D”の版画作品は小説本編の装丁を中心に制作されてきましたが、この作品は別視点から“D”を捉えた、唯一無二の存在です。
ゴシックロマンのヒーロー「吸血鬼ハンターD」は、1983年に伝奇作家・菊地秀行氏によって生み出されました。
以降、幾度も続編が発表され、熱烈な支持を集める名作として、多くのファンの心を掴んでいます。
その物語は、ダークで壮大な世界観と独特の美学が特徴です。そして、この作品に生命を吹き込むのが、天野喜孝氏によるアートです。
天野氏の描くイラストは、日本的な繊細さと西洋ファンタジーを融合した独創的なスタイルが特徴です。
木版画を思わせる柔らかなタッチと大胆な構図、そして騎士やモンスターといった幻想的なモチーフが見る者を魅了します。
その妖艶で夢幻的な世界観は国内外で高い評価を受け、特に欧米では絶大な人気を誇ります。

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作家プロフィール

1952年：静岡県出身
1967年：タツノコプロに入社し、アニメーションのキャラクターデザイナーとしてキャリアを開始。『科学忍者隊ガッチャマン』や『タイムボカン』シリーズなどを手掛ける。
1980年代：フリーランスとなり、挿絵やイラストの分野で活動を広げる。小説『吸血鬼ハンターD』シリーズの挿絵で注目を集める。
1987年：『ファイナルファンタジー』シリーズのロゴデザインとキャラクターアートを担当し、国際的な評価を得る。
1990年代以降：絵画、舞台美術、衣装デザインなど多岐にわたる活動を展開。国内外で展覧会を開催し、アーティストとしての地位を確立。
現在多方面で活動を続ける一方、独特の画風で多くのファンに愛されている。