作品名

永遠の夢

作家名

松本零士
まつもとれいじ

『銀河鉄道999』（ぎんがてつどうスリーナイン、Galaxy Express 999）は、タイトルに込められた「未完成の青春の終わり」という象徴的な意味が作品全体を貫いています。
舞台は、銀河系の各惑星が「銀河鉄道」と呼ばれる宇宙列車で結ばれた未来世界。
テレビアニメ版では西暦2221年とされるこの時代、多くの裕福な人々が機械の身体を手に入れ、永遠の命を享受していました。
一方で、貧しい人々は機械化の恩恵を受けられず、迫害されるという社会格差が存在します。
主人公の星野鉄郎は、機械化人に母を殺されるという悲劇に見舞われ、無料で機械の身体を得られるという惑星を目指します。
彼を導くのは、謎めいた美女・メーテル。
2人は銀河超特急999号に乗り込み、広大な宇宙を旅します。
物語の中盤から終盤にかけて、メーテルが機械帝国の女王プロメシュームの娘であり、ドクター・バンの娘でもあるという秘密が明らかになります。
さらに、彼女の体については、生身の人間、機械化人、あるいはそれを超えた特殊な存在である可能性が示唆されつつも、真相は明確にされていません。
松本零士の代表作である本作は、壮大な宇宙を舞台にした冒険と、深い人間ドラマを描いています。
彼の特徴的な作風である流れるような線と緻密なディテールにより、キャラクターと広大な宇宙の壮観が見事に表現されています。この独特な世界観は多くのファンを魅了してやみません。

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作家プロフィール

1938年: 福岡県久留米市生まれ。戦後小倉で育ち、9歳で手塚治虫『新寶島』に影響を受け漫画を描き始める。
1953年: 『蜜蜂の冒険』で「漫画少年」新人王を受賞し商業誌デビュー。
1957年: 『黒い花びら』（「少女」掲載）で本格的に漫画家デビュー。
1968年: 『セクサロイド』を発表し青年漫画で注目される。
1970年代: 『宇宙戦艦ヤマト』『銀河鉄道999』でSF漫画・アニメブームを牽引。
2000年～2018年: 日本漫画家協会常務理事として漫画家の地位向上に尽力。
1994年～2021年: 日本宇宙少年団理事長として青少年教育活動を推進。
2023年: 85歳で逝去。
主な受賞歴
1972年: 『男おいどん』で講談社出版文化賞受賞。
1978年: 『銀河鉄道999』で小学館漫画賞、日本漫画家協会特別賞受賞。
2001年: 紫綬褒章受章。
2012年: フランス芸術文化勲章シュバリエ受章。